外装リフォーム工事と「いえかるて」の重要性

市民住まい向上委員会では、外装リフォーム工事を行う際には国が推奨する住宅履歴情報「いえかるて」を登録し、外装リフォームでいつどんな修繕をしたのかの履歴を「いえかるて」にきちんと残すことを推奨しています。

「いえかるて」を推奨する理由は、記録保存の管理主導権が施工会社ではなく、工事を依頼した登録消費者側にあるということです。ID登録などの変更ができ、施工した業者に縛られることなく他社への移行が可能なことが大きな理由の一つです。

・屋根・外壁・防水工事には法律が少なく失敗しても自己責任の可能性が大きい。

工事代金の規定・建物診断の方法や資格・屋根、外壁の面積の計算・使用材料の選定・施工方法・等々あげればきりがありませんが法律で定められた規定が少ないのが現状です。

そのため工事を失敗しても自己責任となる場合が多く裁判に至ってもあまりよい結果にはならないのも事実です。

・住まいの維持管理の現状。

一般消費者は、住宅の維持管理に関しては、専門的知識に乏しく「業者にお任せ」という方が大半を占めており、さらに金額の安価なところにお願いしてしまうという負のスパイラルに入ってしまっているのが現状です。
特に屋根・外壁のメンテナンス工事は毎年、クレームや相談が増加しており国土交通省指定の「住宅リフォーム紛争処理支援センター」が運営するスマイルダイヤルのデーターを見てもリフォーム工事の不具合の相談のうち屋根・外壁の相談が80%を超えています。

・住まいの維持管理の基本は「いえかるて」に登録して記録を残すことです。

「いえかるて」とは住宅履歴情報を指します。
住宅履歴情報は、住宅の設計、施工、維持管理、権利及び資産等に関する情報です。
住宅所有者であるあなたが、蓄積、活用していくためのものです。
いつ、だれが、どのように新築や修繕、改修・リフォーム等を行ったかを記録したあなたの住まいの「履歴書」といってもいいでしょう。(いえかるてHPより引用)

・屋根・外壁・屋上防水工事はなぜ家カルテが必要なのか

① 施工業者の選定のため

「いえかるて」の登録手続きを行うためには、審査がありその審査をクリアーした会社が登録できるというシステムになっていますので、一般の方が施工業者を選ぶための目安になります。

② 適正な金額での見積・契約

国土交通省の認定のシステムに情報を登録することで記録が残りますので法外な金額などでの契約の回避ができます。
見積書及び仕様書などの登録保存を行うことで施工業者側も屋根・外壁の間違った面積などが出せなくなり適正な金額・適正な施工を行う必要が発生する。

③ 不良施工の低減

施工中の写真を記録・保存することで間違った施工や手抜き工事の防止につながり万が一、不具合が発生した場合は原因の追究につながります。

④ 計画的な維持管理で建物が長持ち

メンテナンスの記録を残すことで親から子へ、または第三者に引き継がれた場合でも記録が残っているので計画的維持管理を行うことができるので建物が長持ちします。

⑤ 売買に有利

既存住宅の流通が活性化しない原因は「不安・汚い・わからない」この3つが代表されます。不安は、以前の持ち主がどんな維持管理を行ってきたかわからないので不安で購入しない。汚いは、メンテナンスしていない家は汚いから買わない。わからないは、販売する不動産の営業が構造的なことがわからない。この3つが主な原因と言われています。
メンテナンスの記録を残すことで既存住宅の維持管理の状態が明確になり安心して購入することができるようになります。

⑥ 安心R住宅の取得に必要

記録を残し開示でき、一定の基準をクリアーすることで国土交通省の推奨する安心R住宅の登録を行うことができ、既存住宅の購入の際、既存住宅瑕疵保険加入・フラット35金利引き下げ・補助金の優遇・等の得点を使用することができるため資産価値の向上につながります。

 

・市民住まい向上委員会が推奨する外装リフォームで記録保存する書類
・現場調査報告書・リフォーム図面・仕様書・見積書・契約書・工事中の写真、等

※詳しくは市民住まいが開催する「屋根・外壁のメンテナンス講座」にご参加ください。